いえものがたり (2)「古い雑誌とレコードがあった家」
その家に残されていたのは戦後に出版された雑誌でした。
それらは昭和20年代〜30年代に刊⾏されたもので、芸能娯楽雑誌や⼦ども向けの雑誌、あるいは専⾨分野の雑誌でした。
実は戦後にはカストリ雑誌とばれる⼤⼈向けの雑誌も数多く刊⾏されていて、少なからず興味はあったのですが、残念ながらそう⾔った類いの雑誌はありませんでした。(笑)
表紙は今では⾒られないような写真とイラストを⾜して⼆で割ったような独特の⾊づかい。
そんなタッチで描かれているのは当時の⼈気⼥優さん。
とてもノスタルジックな感じに溢れています。
またよく⾒ると雑誌名の書体もオリジナリティに富んでいて、ついつい⾒⼊ってしまいます。
芸能娯楽雑誌が残されていた、ということはその家の奥さまが読んでいたのでしょうか?
ひょっとしたら年頃の娘さんも⼀緒に暮らしていたのではないでしょうか?
きっとお⺟さんにも娘さんにも、各々にお気に⼊りの俳優や歌⼿などが居ていろいろ語り合っていたのかもしれません。
そしてさらに⾯⽩いことには、レコード盤も残されていたのです。
そしてそれは誰が聴いていたレコードだったのでしょうか?
レコードを詳細に調べなかったのでどんな種類の⾳楽かは分からないのですが…。
ヤモタスは、レコードはお⽗さんが聴いていたと想像します。
リビングに家族が集い、思い思いに過ごすひととき。
誰の⼈⽣でも、いつも平穏で⾟いことが全くなかったとは思いません。
「家」はそんな家族を包み、どんな時でもいちばん落ち着ける場所として家族のこころの中に⽣き続けてきました。
家って、いいな。
⽣き続ける家を。
ヤモタス